- パータ・シュクセ
- 泡立てた卵白にアーモンドなどのナッツ類、砂糖、小麦粉、卵黄、牛乳などを混ぜて焼いた生地。ダックワーズに配合が似ているが、こちらの方が粉や水分が多く入り、目が詰まってしっかりしている。
- パータ・フォンセ
- パート・ブリゼと同義語。小麦粉とバターをすり混ぜてつくるため、サクサクした食感の練り込み生地。タルトなどの敷き込み生地として使う。
- パータ・ボンブ
- 泡立てた卵黄に112〜115℃に煮詰めたシロップを加えて、さらにもったりするまで泡立てたもの。バターと合わせてバタークリームをつくったり、バヴァロアやムースに使う。濃厚な風味が特徴。
- パータ・リンツェル
- リンツァー生地。アーモンドの粉やシナモンの香りが加わった甘いタルト生地の一種。この生地を敷き込んでフランボワーズ(木イチゴ)のジャムを詰め、表面をさらにこの生地で格子模様に飾ったリンツァートルテは、オーストリアの銘菓として有名。
- バータグラッセ
- ヤシ油を加えてつくる市販のコーティング用チョコレート。一般にカカオとカカオバターが少なくカカオの風味はチョコレートより劣る。ヤシ油の融点が約40℃と高いため口溶けも悪いが、つやがよく安定度が高く作業性はいい。チョコレートをプラスしてカカオの風味を補うといい。
- パート・ダマンド・クリュ
- アーモンドペーストの1種。「クリュ」とは、「生の」と、いう意味。皮付き、または皮を湯むきにしたアーモンドと砂糖を同比で混ぜ、ローラーにかけてペースト状にし、つなぎに卵白を加えたもの。しっとりした食感が特徴で、主に焼き菓子、半生菓子に用いる。
- パート・ド・マロン
- 栗のペースト。クレーム・ド・マロンと比べて固い。栗におよそ同量の砂糖または水あめなどの甘味料を混ぜて、ペースト状にしたもの。香り付けとしてバニラも加える。材料となる栗は、マロン・グラッセの破片であったり、栗を裏漉ししたものだったりする。モンブランの他に、フランスの栗の産地アルディシュ県に因むアルデショワという伝統的なお菓子などにも使われる。
- パティスリー
- 菓子屋のことだが、扱う内容は日本の菓子屋よりも幅広い。パティスリーとはそもそも、粉が主体の生菓子や焼き菓子を指す。これはかつてパティスリーが肉や乳製品など、パイ生地で包んで料理とそれを売る店を総称していたから。だから今でもフランスの菓子屋では生菓子、焼き菓子はもちろんん、バターをふんだんに使ったパンや惣菜まで扱っている(→トレトゥール)
- パフ・ペイストリー
- イギリスで使われる折りパイ生地。練りパイ生地に相応するショートクラスト・ペーストと合わせて、大きく二つある生地のひとつ。生地にバターを折り込んで3つ折りを3〜6回程行ったもので、折る回数はやや少ないがフランスのフィユタージュ生地とあらかじめバターを混ぜ込んで折る手法もある。折りパイ生地には、他にはフレーキー・ペイストリーもある。
- パン・ド・ジェンヌ
- パート・ダマンド・クリュ(生のアーモンドと砂糖、少量の卵白を合わせたペースト)かアーモンドプードル、コーンスターチなどのデンプン、卵、バター、メレンゲなどを混ぜて菊型などで焼いた、しっとりして軽い口あたりのお菓子。歴史は古く、19世紀初頭、フランス軍がイタリアのジェノバを包囲した記念につくられたという。軍の食糧のひとつがアーモンドだったことから、アーモンド風味のお菓子になった。ちなみにパン・ド・ジュエンヌ型といえば、菊型のこと。
- ビスキュイ・ジョコンド
- アーモンドの粉を加えた別立て、(卵黄と卵白を別々に泡立てる)生地。ホロッとした食感と温かな味わいが特徴。ちなみにジョコンドとは、モナリザの微笑みのこと。
- フイアンティーヌ
- 通常は、クレープ・ダンテルを砕いたものを指す。カリカリ、サクサクした食感が特徴だが、薄い層状の生地なのでカリッ、パリッという固いイメージではなく、ハラハラと崩れ折れるような食感といった方が近い。ジャンドゥージャを使った生地やガナッシュなどに仕込まれることが多く、生地の食感にコントラストをつけるのに使われる。現在は業務用の市販品としてこの名前で売られているものがある。また層状の生地のイメージからくるのか、ミルフィーユなどのように薄い生地を層にして重ねたデザートによくこの名前が使われることがある。さらに「折込みパイ生地をのばして4〜5cmほどの長さの長方形にカットしたものに、卵白、ザラメをまぶして焼くお菓子のことを指す」と説明する料理辞典もある。
- フォダン・ショコラ
- レストランなどでよく提供されるチョコレートを使ったデザート。あるいはそれにつかわれる生地を指すこともある。溶かしたチョコレート、卵黄、メレンゲ、そして少量の小麦粉などを合わせて型に流し、湯煎焼きしてつくる。
- フォンセ生地
- タルトなどに使う、塩気があるタイプの敷き込み用生地(フォンセは型に敷くという意味)。プリゼ生地と同様で使われることが多い。両掌で小麦粉とバターをすり混ぜて(サプラージュ)つくるのが特徴。油脂と小麦粉を合わせてから水分を加えるためグルテンが出にくく、焼いたときに粒状のバターが溶けて細かな空洞をつくるためサクサクした食感に仕上がる。プリゼ生地との違いをいうとすれば、フォンセ生地には砂糖が少量入る場合があり、プリゼよりもやや固いカチッとした食感になること。
- フォンダン
- 砂糖をいったん溶かしてふたたび結晶化させたもので、コーヒーなど種々の香りや色をつけて糖衣がけに用いられる。エクレアなどの糖衣がけに使う他、ボンボン・ショコラのセンターに使う蒸留酒漬けのチェリーなどの皮膜としても使われる。砂糖、水、水あめなどを115℃まで加熱した後、40〜50ド程度に冷却して攪拌してつくる。結晶化した砂糖の主成分である庶糖が水に溶け出す量は温度によって異なる。かつては大理石の上で冷やしながら手作業で攪拌していたが、たいへんな労力が必要で、現在は超高速ミキサーでつくる。市販品も普及している。
- 復活祭
- 仏語で「パック」、英語で「イースター」。イエス・キリストの復活を祝うキリスト教の祝祭日のこと。春分後の満月の後、最初に迎える日曜日と決められており、日付は一定していない。3月下旬から4月下旬にかけての約1ヶ月間のうちの1日ということになる。復活のシンボルとされる卵や鶏、鳥の巣、まだ春先に卵を口にくわえて運んでくるウサギなどを型どったチョコレートなどの菓子が、菓子店の店頭を飾る。
- プラリネ
- カラメル上に煮つめたとうえきにアーモンドやへーゼルナッツをからめて細かく砕いたもの。またはそれをローラーにかけてペースト状にしたもの。
- フレーキー・ペイストリー
- イギリスの折りパイ生地のひとつで、パフ・ペイストリーに比べて折る回数が少なく、比較的簡単なので家庭向きとされる。のばした生地の2/3ほどのスペースにバター、マーガリンなどを敷きのばし、3つ折りにしてこれをまたのばして3つ折りにする。これを2回ほどくり返す。近年では冷凍生地が市販され、家庭ではこちらがよく使われる。
- ブロワイユーズ
- ナッツ類を粉やペーストにするのに使う。石製の円柱状ローラーがついた粉砕機。ローラーは円柱状のものを2本横に倒した格好で設置されている。この間を徐々に狭めて材料を通して粉砕したり、ペースト状にして下の容器に落とす仕組み。
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