栗について

日本名で「栗(クリ)」。その名の由来は、落ちた実が石のようであることから、小石を意味する古語「クリ」と名づけられたブナ科クリ属の落葉果樹です。
「栗」というと京都の丹波地方が有名ですが、生産量は圧倒的に茨城県が多いのが現状です。また、世界的にも日本の「栗」は粒が大きいことで有名です。これは気温較差の大きい盆地特有の気象条件と、生育に適した土壌が良質の「栗」を育てたのでしょう。

日本では、古く縄文時代から食糧として栽培され、奈良・平安時代には丹波地方(京都府)の栗が商人によって京都を中心に広められていたようです。その後、戦国時代の兵糧や、江戸時代の参勤交代などを通じて全国的に広まったとされています。
書物としては「日本書紀」にも記載されています。

その「栗」の主成分は40%がデンプン。

そのほかタンパク質、ミネラル、ブドウ糖なども含んでいるため甘みに優れている他、水分が少ないためビタミン類(ビタミンC・ビタミンE)が豊富で、消化・吸収によい食材とされ、幼児やお年寄りにも親しまれています。また、鉄、銅、マンガン、亜鉛なども豊富なナッツ類としての特徴と、デンプン質の穀類としての特徴ももつ珍しい食材だったりします。

そのため、胃腸を丈夫にする働きがあり、疲れやすいなどの症状にも効果があるとされ脚光をあびています。

栗の写真

利用法

古代人の遺跡からは、炭化したクリが発掘されています。乾果では“からぐり(搗栗)”が一般的。現代でも、栗飯、焼き栗、ようかん、きんとん、マロングラッセなど食用が多く、朝鮮では朝鮮漬けの原料に用いられます。また木材は建物や家具また、シイタケ栽培用の原木にも利用されます。